4.1 徒歩、自転車利用促進策の現状

 日本においても、「快適な短距離移動を実現するため、歩きやすいバリアフリー化した歩道の整備やゆとりある広幅員歩道の整備、走りやすい自転車道のネットワークの整備を進め、自動車交通から徒歩や自転車交通への転換を促すことが必要である。」(*23)と認識されている。鉄道駅や市街地における駐輪場の整備に関して、目立った政策が打ち出されていないのは懸念材料である。自転車は、単独での短距離移動に限らず、自宅から少し離れた鉄道駅との往復など、公共交通機関と組み合わせることで、自動車にかわる長距離移動手段の一部にもなる。本格的に環境配慮型交通手段の利用を促進していくためには、公共交通機関との結びつきなど、より有機的な施設整備が必要であると考えられる。


*23 道路審議会委員(1997)『今後の道路環境政策のあり方―環境時代への政策転換― 中間答申』17ページ、31ページ

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