sakam21 > 実感!就職活動 > 進路研究 > 映画"Cast Away"から〜自給自足と社会的分業

進路研究
映画"Cast Away"から〜自給自足と社会的分業


 "Cast Away"という映画はみなさんご覧になりましたか?
 私は、2月末に就職活動で地元の大阪へ行った時、予備校時代の友人と一緒に見ました。この映画は、最初と最後のシーンを見ると恋愛ものといえなくもないのですが、どちらかというと、独り無人島で強く生き抜いていこうとするヒーローの姿の方が印象的でした。

●自給自足

 ヒーローの乗った飛行機が海に墜落した後、彼は波に流され、ある無人島に辿り着く。そこは、ただ自然があるのみ。彼はまるで原始人のような生活を始める。
 なかなか割れないココナッツの固い実を、とがらせた石を道具にして割ってみたり、海辺で捕まえた蟹を焼くために、火を起こしてみたり。もちろん、簡単には火が出ない。手のひらを擦り切らせながらも、懸命に木を擦り合わせるが、やっとの思いで火がつきかけたかと思うとすぐ消えてしまう。でも、そうやって失敗を重ねていくうちに、「燃えるものが必要なんだよな」とか「空気が必要なんだよな」ということにだんだん気付いていき、火を起こすことに成功する。
 そんな感じで、4年ほど無人島で自給自足の生活を続け、いずれ脱出用のいかだを作る。彼自身で作った道具を使いながら木を切り、植物を材料にしてロープを作り、それらを組み合わせて頑丈ないかだを作る。太陽高度や天候をもとに彼自身で作り上げた暦にしたがい、最も穏やかな季節を選んで、とうとういかだで脱出。


●社会的分業

 映画の話から急にかたい話になって恐縮ですが、就職活動中だった私にとっては、無人島での自給自足の生活と、現代の経済との対比が頭に浮かびました。
 現代人の生活では、スーパーに行けば食料品を買えるし、ガスコンロなどで簡単に火を起こせる。ココナッツを割ったり木を切ったりする機会はあまりないかもしれないけど、鋸などの道具がある。航海するための船もたくさんある。このような、現代人にとって当たり前のように存在しているものが、"Cast Away"の無人島にはなかったのです。それを克服していくヒーローの姿に感心してしまうわけですね。
 それで、現代人の生活に、便利な道具などいろいろなものが当たり前のように存在しているのは、それらを生産している人がいて、また過去の経験などいろいろなノウハウが蓄積されているからですよね。それは農家であったり造船会社であったり。そうやって、各労働者が何かに特化した仕事を受け持つ「社会的分業」をし、得た賃金でいろいろなものを買うことによって、原始人とは比べ物にならないほどのハイレベルな生活を享受できているといえるでしょう。もしみんなが"Cast Away"みたいな自給自足の生活をしていたら、生活水準はどんなものなのでしょう?


ホームへ