「自分で火を起こしたり食物を採ったりしなければならない完全な自給自足は勘弁だけど、できることなら仕事も避けたい」なんていう人がいたら、それは単なる甘えです。これでは、生活の糧は得られません。でも、完全な自給自足の生活よりも、自分がやってみたいと思える仕事、自分にできそうな仕事というのは、探せばいろいろあるのではないでしょうか。この「自分に合った仕事」というのは、みんな一人一人違います。違うからこそ「分業」となり、社会全体としてハイレベルな生活水準を享受できるようになるわけですよね。
就職して社会人になるということは、「社会的分業」に身を乗り出すということです。「社会人は思っていた以上に厳しい」とはよく聞く話ですが、賃金を得る「仕事」である以上、遊び気分でやっていける職業はないでしょう。世に財・サービスを送り出す側に必ずつきまとう「責任」なので、相当の厳しさは覚悟する必要があると思います(それが嫌なら、無人島で自給自足の生活をすればいいという話になるわけです)。「資本主義社会」は、「お互いが人や社会に役立つために働き、その見返りとして利益を得る」という仕組みです。資本主義社会では、人や社会に役立たない仕事には見返りとしての利益が回らず、淘汰されるのが常です(参考として:[面接体験記]-[良い会社選び])。
そう考えた時、個々の会社や社員が、いかに人や社会に役立てるかが重要になってきます。そして、就職を控えた学生にとっても、「自分の仕事が、いかに人や社会のために役立ち、利益が返ってくるだけの価値があるのか(自分の労働力に、賃金を支払ってもらえるだけの価値があるのか)」ということを常に考えなければなりません。「自分に合った仕事」を探すのが、きわめて重要なのです。