1.1 地球温暖化問題と日本の責任
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の3度(1990年、1995年、2001年)にわたる評価報告書は、人間活動の拡大に伴い、大気中の温室効果ガス濃度が急上昇していること、そして、世界規模での気候変動や海面上昇など、人間生活や生態系に多大な影響を及ぼす恐れがあることを指摘している。そのうえで、化石燃料の消費を抑制し、CO2の排出量を削減する温暖化対策が必要であることを、同報告書は提案している。
日本は世界のCO2総排出量の5%を排出しており、アメリカ、中国、ロシアに次ぐ世界第4位の排出大国である(図1-1-1)。したがって、日本は地球温暖化防止において、世界に大きな責任を負っているといえる。そして、産業や生活、交通のすべての分野で省エネルギーに努め、全体としてCO2排出量の削減を図る必要がある。